ある日、散歩の途中、わたしは1羽のペンギンにひょっこり出くわした。 空から落っこちたんだよ、とやつは言った。 でも、ペンギンが ーやつはどうみてもペンギンだったー 飛べないことぐらい、わたしだって知っていた。
微笑ましい作品
「ペンギンと一緒に空の飛びかたを考える」
言葉にすればそれだけの絵本です。
鉛筆と水彩で書かれた作品。スケッチのよう。
繊細かつシンプル…。鉛筆画で落ち着いた雰囲気の絵本です。
ペンギンとおじさんが、大真面目に空を飛ぶための試行錯誤をしている様子が、微笑ましいです。
ひたむきに飛ぼうとするペンギンと、それをかなえてあげようと頑張るおじさん。
よ~く見ると、色んな遊び心に溢れていますよ。
(私は描かれていた専門書のセンスが好きです)
ペンギンを飛ばそう
わたしは飛べなくなったというペンギンに、飛びかたを講義したり、練習を繰り返した。失敗、失敗、失敗…。それでも出来ることは何でもやった。さて、結果は…。
想像力を、めーいっぱい働かせたくなる絵本でした。
秀逸な笑いのセンスとアートが融合しています。
大人が静かに楽しめるのでお勧めです。
希望を与えてくれる…。
おじさんは「きっと無理だ」と分かっていても、ペンギンに優しく付き合ってくれます。
おじさんのように懐が深い人間になりたいものですね。
もしかしたら、このペンギンは私たちのことかもしれませんよ。
信じ切ることはたくましいこと
「できないよ」
そう諦めるのは簡単。
でも、ずっと諦めないで挑戦し続ければ「不可能なこと」も「可能なこと」へと変わるかもしれない。
できるようになる可能性はゼロじゃない。
大事なことは信じること。
常識に囚われてばかりいては、冒険なんて出来ない。
未知の可能性へ挑戦。これぞロマンだ。
きっと、ペンギンだって空を飛べる。