子どもたちの本気の本気の「いえで」
作者:リーゼル・モーク・スコーペン
アメリカ人の両親のもとドイツに生まれ、1歳半でアメリカに戻る。ニューヨークのウェールズガレッジ卒業、イエール大学で哲学を学ぶ。
ふらっと家出。
ふらっとできるレベルのいえでではありません。
それ以上。本気のいえで。
兄弟姉妹4人+犬と猫の「いえで」です。
子供たちにとって…
「いえで」=「冒険」ですよね。
この絵本は、子供の視点・思考に寄り添った物語といえるかもしれません。
それにしても…
兄弟姉妹全員で家出とは…。
随分と本格的・にぎやかな家出ですね。
何度も何度もトラブルが起こり、
何度も何度もお引っ越し…。
いえで先がたくさんできて良かったね。
池。
森の中の洞窟。
浜辺。
引っ越し先で、その場所で見つけたお気に入りのものを持っていく。
思い出は増えていく。
冒険が終わっても帰る先がある。
家ではちゃんと両親が温かく、子どもの帰りを待っています。
良いお話だね。
子供のころを思い出す
子供のころ、「秘密基地」って、憧れたなぁ。
近くの広場で枯れ木を集めて
「秘密基地」をつくっていたことを思い出しました。
親の目の届かない場所で、自分だけの秘密の場所をつくる、そんな冒険。
冒険をしたら家に帰ってくる。
子どものころの自分にとって、いちばん大事なことでした。
いいなぁ。
羨ましい。戻りたい。子供時代。
素敵な絵本
松井るり子さんの訳は、
五・七・五調となっていて、
文章のリズムが心地良かったですよ。
絵はモノクロの線画。
素朴、繊細なタッチで描かれています。
表情がパッと弾けて、
文章だけではなく、絵が語ってくる絵本でした。
トラブルが起きても、ちっともめげず、
引っ越しの度に、子供たちが成長していく姿が素敵な絵本です。